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本サイトは不活化ポリオワクチン接種の重要性の啓発を目的として一般の方を対象としております。

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予防はいつするの?

予防はいつするの?

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  • 千葉県いすみ市

    千葉県いすみ市での不活化ポリオワクチン(IPV)の
    5回目接種に対する接種費用公費助成開始後1年を振り返る

    子どもは市の宝、
    公費助成で誰もが健康を守れる市に

    いすみ市長 太田 洋 氏
    太田 洋

    任意接種ワクチンに対する接種費用公費助成を推進
    IPVへの助成も2018年に開始

    いすみ市では、進学や仕事を理由に若い方や子育て世代の転出が増えており、人口減少が進んできました。そこで、市への移住や定住したくなる環境を目指し、魅力ある町づくりに取り組み、特に子育て支援に力を入れています。具体的には、乳幼児の相談事業の充実化を図ったり、中学生までの医療費助成を高校生まで拡大したりするほか、任意接種ワクチンに対する接種費用公費助成を積極的に進めてきました。

    2010年度にヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの接種を公費助成にしました。また、2011年度にはインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンと水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンの接種を公費助成にしました。
    2018年度からは不活化ポリオワクチン(IPV)の就学前の5回目接種に対する接種費用公費助成を始め、現在は、IPVとロタウイルス、おたふくかぜ、インフルエンザワクチンへの助成を行っています(表)。接種費用公費助成は、保護者の経済的負担の軽減になるだけでなく、子どもが家庭の経済的事情に左右されず公平に健康づくりの機会を得られるために必要だと考えています。

    【表】いすみ市の任意接種ワクチンに対する接種費用公費助成(2019年度)

    いすみ市の任意接種ワクチンに対する接種費用公費助成(2019年)

    IPV5回目接種の接種率は約80%を達成
    今後は接種率向上を目指す

    IPV5回目接種に対する接種費用公費助成を始めて1年が経過しました。2018年度は、IPV接種対象者222名のうち、接種者数は177名、接種率は79.7%でした(図)。約8割という高い結果ですが、同じく任意接種であるおたふくかぜワクチンの年長児での接種率82.0%と比べてわずかに低くなっています(図)。

    IPV5回目接種率が低かった理由としては、5回目接種の必要性が周知されていない可能性が考えられます。以前、おたふくかぜワクチンの公費助成申請のため来庁された保護者から「4種混合ワクチンの定期接種でIPVの接種は終わっているのに、なぜIPV5回目接種が必要なのか」という質問を受けたことがあります。また、他の理由としては、定期接種完了者を対象とした公費助成であるため、定期接種が完了せず公費助成の対象から外れた方がいるのかもしれません。理由を分析したうえで、4種混合ワクチンの定期接種期間中からIPV5回目接種の案内をするなどの対応策を考え、接種率向上を図っていきたいと思います。

    【図】いすみ市のIPV5回目接種、おたふくかぜワクチン、
    麻しん風しん2期の接種率(2018年度)

    【図】いすみ市のIPV5回目接種、おたふくかぜワクチン、麻しん風しん2期の接種率(2018年度)

    接種費用公費助成が他の自治体にも広がれば
    多くの子どもたちの健康が守られる

    東京オリンピックでは、隣接する一宮町がサーフィン会場になるため、いすみ市にも多くの外国人が訪れると予測され、オリンピック後も、海外からの観光客が増加することが考えられ、いすみ市から海外に行かれる方も多いと思います。そこで、IPVの5回目接種で予防することが重要であると考えていました。

    他の市町村でもIPV5回目接種のような任意接種に対する接種費用公費助成を実施していただければ、より多くの子どもの健康を守ることにつながります。全国の子どもが等しく接種の機会を得られるよう、多くの自治体が任意接種に対する接種費用公費助成を推進することを望みます。

    接種費用公費助成と
    市民への啓発活動の重要性

    医療法人社団 嗣業の会 外房こどもクリニック 院長 黒木 春郎 先生
    黒木 春郎

    ポリオは過去の疾患ではない
    確実に防ぐためにワクチンの追加接種を

    日本では、1961年からの経口生ポリオワクチン(OPV)接種によりポリオの流行は終息し、野生株ポリオウイルスによる症例は1980年に確認されたのが最後になりました※1。しかし、世界的にみると、アフガニスタン、パキスタンなど現在でも流行している国が存在します※2

    グローバル化が進んだ現在は、日本から海外に行く人が増えているため※3、ポリオが発生している国を訪れる機会があるかもしれません。また、海外からの入国者数も増えています※3。ポリオウイルス感染者の多くは不顕性感染のため、感染に気づかないまま、多くの人と交流する可能性があります。
    過去の疾患というイメージがあるポリオですが、常に感染リスクがあることを忘れてはなりません。

    日本では、2012年9月にOPV接種が不活化ポリオワクチン(IPV)に切り替わりました※4。IPVは、経時的に抗体価が下がるため、定期的に追加接種をする必要があります※5。日本ではIPVの定期接種は4回までであり、5回目は任意接種です。ポリオを防ぐためには、5回目接種が重要であると考えられます。

    “Thinking globally, acting locally”という言葉があるように、ポリオは地球規模で根絶を目指し、地域レベルで行動する必要があり、その行動がワクチン接種であると思っています。

    IPV5回目接種の費用公費助成開始後接種率が向上

    いすみ市では、2018年4月からIPVの就学前5回目接種に対する公費助成を行っています。助成の効果は大きく、任意接種を受けるお子さんは、助成がなかった2017年度までほとんどいませんでしたが、助成開始後は当クリニックだけで100名を超えました。

    当クリニックでは、予防接種に関して保護者向けの勉強会を定期的に開催し、ワクチンで予防できる疾患(VPD)をワクチンで防ぐことの重要性について伝えてきました。参加された保護者の方々からは、ワクチンの副反応についての質問が寄せられ、予防接種の安全性に高い関心を持っていることがわかりました。保護者にワクチンの説明をする際には、予防接種をすることで将来病気から守られるという本来の意義を伝え、正しく理解していただくことが大切です。

    自治体の現場担当者への啓発が予防接種の意義の理解につながる

    勉強会は、予防接種に携わる自治体の職員の方に向けても開催してきました。現場の担当の方々が予防接種の重要性を理解していることが大切だからです。接種費用公費助成の制度ができても、自治体の職員の方々が予防接種に消極的では、接種率が向上しない可能性があります。予防接種の意義をよく理解し、全国に先駆けて接種費用公費助成をしていることに誇りを持って、保護者の方々に接種を勧めていくことが接種率向上のために重要です。

    また、公費助成がさらに広がるためには、市民の側に共助や互助の意識が育つ必要があります。公費助成は税金でまかなわれるものですから、負担する側も助成を受ける側もお互い助け合う必要があることを理解して、納得することが大切だと考えています。

    保健窓口担当者の声

    IPV接種率向上のため、広報活動を工夫しポリオ予防の重要性を伝える

    いすみ市役所 健康高齢者支援課 課長 藍野 かおる 氏

    IPV5回目接種は麻しん風しん混合(MR)2期の対象者と重なることから、MR2期の接種勧奨の通知と一緒にIPVの接種費用公費助成についてご案内しています。接種費用公費助成を受けるためには、役所の窓口で申請する必要があります。そこで、窓口ではポリオ予防の重要性を伝えており、実際にIPV5回目接種につながったことがあります。IPVの意義を理解していただくには、通知文書だけでは不十分のように思います。2019年度からは、IPVの5回目接種に関してわかりやすく解説したリーフレットを同封しました。接種率向上のため、今後も通知方法を工夫していきたいと思います。

    いすみ市役所 健康高齢者支援課 乾 真由美 氏

    いすみ市の医療機関では、定期接種の際に任意接種ワクチンの意義について情報提供し、接種を呼びかけてくださっています。IPV5回目接種は、対象者がMR2期接種と同じ年長児であることから、MRを接種する時がIPV5回目の追加接種を啓発するよい機会になると考えられます。MR2期未接種の年長児には、接種漏れを防ぐために夏休み前や冬休み前など繰り返し接種勧奨の通知を送っており、MR2期定期接種の接種率向上がIPVの接種率向上に寄与することを期待しています。

    IPV就学前追加接種 接種費用公費助成

    公費助成の内容(2018年4月1日開始)

    予防接種:

    不活化ポリオワクチン(通算5回目)

    助成対象者:

    小学校入学前1年間(定期接種完了者)

    助成回数:

    1人1回

    助成費用:

    全額

    開始時期:

    2018年4月1日

    こちらの情報は取材当時のものです。
    ロタウイルスワクチンは2020年10月から定期接種になりました。
    最新の情報は、各市区町村へご確認をお願いいたします。

    ※1
    国立感染症研究所:ポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺)とは
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000036493.html(2021年3月2日アクセス)
    ※2
    Global Polio Eradication Initiative:THIS WEEK
    http://polioeradication.org/polio-today/polio-now/this-week/(2021年3月2日アクセス)
    ※3
    法務省:平成30年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について(確定値)
    http://www.moj.go.jp/isa/publications/press/nyuukokukanri04_00080.html(2021年3月2日アクセス)
    ※4
    厚生労働省:ポリオとポリオワクチンの基礎知識
    https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/qa.html(2021年3月2日アクセス)
    ※5
    佐々木津 他:小児科臨床68(8):1557-1567, 2015
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